「コンクリート構造物耐久性向上促進協議会」発足趣意書
株式会社ゼロテクノは、大分大学発ベンチャー企業として、多くの方々のご支援により、創立10周年の節目を迎えることができました。衷心より御礼申し上げます。
弊社はこの活動期間において、「人と地球に優しい技術を創造する」をモットーに、大分大学コンクリート工学研究室(佐藤嘉昭教授)とともに廃棄物の有効利用や再資源化及びコンクリート構造物の耐久性向上を目指した研究開発を行ってまいりました。
現在までに、生コン工場の排出物であるスラッジを微粉(PDS; Pulverized Dry Sludge)にして再資源化する技術や、石炭専焼の発電施設から副産物として排出される石炭灰(フライアッシュ)を焼成することで、その全量を高品質フライアッシュ(CfFA; Carbon-free Fly Ash)にして、なお且つJIS規格に定めるⅠ種、Ⅱ種、Ⅳ種相当に分級することでコンクリート用混和材や微粒子粉末として多くの分野に利用可能な材料とする技術を確立するに至りました。そして昨年12月には、大分県豊後大野市に当該技術のモデル工場として大分事業所を建設、本年1月から試験操業を開始、4月からは本格操業に切り替えて、製品の需要を見ながらの供給体制で操業しているところです。橋梁下部工、トンネル、砂防ダム、建築物等と云った土木・建築構造物への高品質フライアッシュ(CfFA)の使用が始まっています。
コンクリート用混和材としての評価は、平成20年に大分県及び大分市から「新商品による新事業分野開拓事業者(トライアル発注事業者認定)」としての認定や昨年6月には、国土交通省の新技術登録システム「NETIS」(登録番号QS-100005-A)に登録され、使用実績も増加傾向になるなど、コンクリート用混和材(CfFA)の全国的な普及基盤が整いつつあります。そこでこの度、全国の建設関連の技術者をはじめ、当該事業に関係する事業者・企業様等に当該技術へのご理解をいただき、当該技術の普及促進・当該事業への参画などを趣旨とする「コンクリート構造物耐久性向上促進協議会」を設立することといたしました。
我が国では、災害復興や環境問題等々社会問題が山積しています。弊社はスローガンに掲げた「人と地球に優しい技術を創造する」をモットーに研究開発してきた技術を建設の立場で具現化し、広く社会に貢献する取り組みを推進していきます。我が国は技術立国であるとの認識を強め、この度の災害復旧を我が国独自の技術をもって遂行する事は、我が国の国際社会における評価に寄与できるものと考えています。
本協議会に対してのご理解をいただき、多くの方々、企業各位に御入会いただけますようお願い申し上げます。
平成23年10月20日
株式会社ゼロテクノ
代表取締役 岡田秀敏